指紋認証・顔認証のスマホ、本人死亡後はどうなる?

指紋認証・顔認証のスマホ、本人死亡後はどうなる?
指紋認証・顔認証のスマホ、本人死亡後はどうなる?【スカイセブン】

最近のスマホは指紋認証や顔認証が主流になり、パスワードを入力する機会自体が減っています。便利な一方で、「本人が亡くなった後、このスマホはどうなるのか」という新しいタイプの不安の声も増えています。

基本知識:生体認証は「本人以外は開けない」ことを前提に作られている

指紋認証や顔認証は、本人以外がロックを解除できないようにするための仕組みです。これはセキュリティの観点では非常に優れた設計ですが、裏を返せば「本人が亡くなった後は、ご家族であっても同じ方法では開けなくなる」ということでもあります。

パスワードであれば生前に家族へ伝えておくことができますが、指紋や顔といった生体情報は、他人に「渡す」ことができません。この点が、従来のパスワード管理とは根本的に異なるポイントです。近年、スマートフォンの生体認証機能が急速に普及したことで、こうした「開けなくなる問題」に直面するご家族が増えています。

具体的なトラブル事例(一般化した事例です)

ご家族が亡くなった後、遺影に使いたい写真がスマホの中にしかなく、指紋認証・顔認証のため開けられなかったというご相談は少なくありません。また、生前にご本人がどのようなサブスクリプションやキャッシュレス決済を利用していたかも分からず、解約すべきサービスの把握そのものに時間がかかってしまったという声もあります。

特に、機種変更のたびに新しい端末で顔認証を設定し直しているケースでは、ご家族が「暗証番号(PINコード)」自体を把握していないことも多く、初動の対応がより難しくなる傾向があります。

今すぐできる対処法

生体認証そのものは家族と共有できませんが、備えの方法はいくつもあります。

①生体認証と併用されているPINコード・パターンを控えておく
指紋認証や顔認証を設定している端末でも、多くの場合、バックアップとして数字の暗証番号(PIN)やパターンが併設されています。この番号を、エンディングノートなどに「保管場所」として記しておくことで、いざというときの手がかりになります。

②各サービスのアカウント復旧手段を事前に確認しておく
Apple IDやGoogleアカウントには、家族が事後に対応できるよう設計された仕組み(追悼アカウント設定・アカウント無効化管理ツールなど)が用意されている場合があります。生前にこうした設定を確認し、必要に応じて有効化しておくと安心です。

③大切な写真やデータはクラウドにも保存しておく
スマホ本体だけに写真を残さず、クラウドストレージや家族と共有できるフォトアルバムサービスにも保存しておくことで、万が一スマホが開けない状況になっても、大切な思い出にアクセスできます。

④デジタル資産の一覧表を作っておく
「このスマホにはどんなアプリ・サブスクが入っているか」を書き出しておくだけでも、家族が事後対応すべき項目の見当がつけやすくなります。

専門家に相談すべきケース

「本人しか開けない状態のまま、大切な手続きが進められない」という状況になった場合、まずは各通信キャリアや端末メーカー、各アプリの事業者へ死亡の事実を伝え、解約や退会の手続きを進めることが基本的な対応となります。この事業者対応の進め方や、相続財産としてのデジタル資産の整理については、行政書士に相談することで見通しが立てやすくなります。

また、生前の段階で「自分が亡くなった後、スマホの中身をどう扱ってほしいか」を明確にしておきたい場合は、死後事務委任契約やエンディングノートの作成支援を通じて備えることが可能です。なお、相続登記に関する手続きは司法書士の業務範囲であり、相続人間で意見が対立する場合の代理交渉は弁護士の業務範囲です。

よくある質問(FAQ)

指紋認証や顔認証のスマホは、本人が亡くなった後も開けられませんか?

生体認証は本人以外が同じ方法で解除することを想定していない仕組みのため、原則として同じ方法では開けられません。事前にPINコードなどのバックアップ情報を控えておく、クラウドにデータを保存しておくといった備えが重要になります。

PINコードとは何ですか?どこで確認できますか?

生体認証を設定した端末で、代替の解除手段として登録する数字の暗証番号のことです。設定当初にご自身で決めた番号であるため、端末の設定画面から確認するか、設定時のメモを探すことになります。

スマホが開けないまま亡くなった場合、どこに相談すればいいですか?

まずは契約している通信キャリアの窓口に死亡の事実を伝えることが最初のステップです。デジタル資産の整理や相続手続き全体の見通しについては、行政書士への相談も選択肢の一つです。

Apple IDやGoogleアカウントには、家族向けの仕組みがあると聞きました。

Appleのデジタル遺産プログラムや、Googleのアカウント無効化管理ツールなど、生前に設定しておくことで家族が事後対応しやすくなる仕組みが用意されています。ただし認知度はまだ高くないため、生前のうちに確認・設定しておくことをおすすめします。

生体認証を使わない方が安心なのでしょうか?

生体認証自体は防犯上優れた仕組みであり、使用を控える必要はありません。大切なのは、生体認証に頼りきらず、PINコードの控えやクラウド保存といった「もしもの備え」を並行して用意しておくことです。

まとめ

指紋認証・顔認証は便利で安全な仕組みですが、「本人以外は開けない」という特性上、家族への備えは従来のパスワード管理とは異なる工夫が必要です。PINコードの控え、クラウド保存、各サービスの家族向け機能の確認など、できることから少しずつ進めておきましょう。

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